FujiSSLは、ACMEプロトコルに対応しています。証明書の発行から更新、サーバーへのインストールまでを自動化し、有効期間がどれだけ短くなっても、人手をかけずに証明書を運用し続けられます。
ACME(Automatic Certificate Management Environment)は、サーバーと認証局が直接やり取りして、証明書の取得・更新を自動で行うための標準プロトコルです。FujiSSLでは、世界最大の商用認証局Sectigoのルートで発行する証明書を、このACMEで自動更新できます。
なぜ、いま自動更新が必要なのか
SSL/TLS証明書の有効期間は、段階的に短縮されることが決まっています。2026年に約200日、2027年に100日、そして2029年には47日。47日ごとの更新とは、年に8回近く証明書を入れ替えるということです。
有効期間は年々短くなる
これを手作業で続けるのは、現実的ではありません。CSRの生成、ドメイン使用権の確認、証明書の設置、サーバーの再起動——この一連の作業を、すべてのサーバーで、年に何度も繰り返す。更新を一度忘れれば、サイトには警告が表示され、サービスは停止します。証明書の自動化は、もはや「あれば便利」ではなく、運用を続けるための前提になりつつあります。
FujiSSL ACMEができること
ACMEに対応したクライアント(acme.sh、Certbotなど)をサーバーに設定すれば、以下がすべて自動で行われます。
↻ 一度設定すれば、有効期限が近づくたびに この流れが自動でくり返されます
一度設定すれば、有効期限が近づくたびに、これらが自動的に繰り返されます。管理者が証明書のために手を動かすことは、もうありません。Webサーバーだけでなく、ロードバランサー、ルーター、ファイアウォールなど、ACMEに対応した各種のネットワーク機器でも、証明書の発行から設置までを自動化できます。
DVだけでなく、OVも自動更新
FujiSSLのACMEは、ドメイン認証(DV)だけでなく、組織認証(OV)の自動更新にも対応しています。これは、無料の証明書サービスにはできない、FujiSSLの大きな特長です。
さらに、FujiSSLの事前審査を利用すれば、一度組織審査を済ませておくことで、以後395日間はドメイン使用権の確認だけでOV証明書を発行できます。組織の実在を証明するOV証明書を、DVと変わらない手軽さで自動更新できます。組織審査は最初の一度きりで、あとは自動です。
また、REST APIを利用すれば、DV・OVに加えてEV証明書の発行・更新もシステムに組み込めます。証明書の運用を、自社のインフラの一部として設計できます。
自動更新できる環境かどうか、確認する
ACMEによる自動更新には前提があります。ひとことで言えば、サーバーの管理者権限(root/Administrator)を持っていて、サーバーから外部へ通信できること。まずは下のチェックで、ご自身の環境を確かめてみてください。
当てはまる項目をタップしてください。自動更新できるかの目安がその場で分かります。
お使いの環境を選んで確認
- root権限でクライアント(acme.sh / Certbot)を導入できます
- HTTP-01 / DNS-01 どちらの認証方式も選べます
- DV・OVどちらも自動更新に対応します
- AWS ACM / Google Certificate Manager / Azure App Service に対応
- マネージドな仕組みで証明書を自動管理できます
- win-acme で IIS への自動バインディングまで自動化できます
- Windows Server 2016以降・管理者権限・.NET 4.8以降が必要です
- 管理者権限やポート開放が制限されていると難しい場合があります
- 提供元がACMEに対応していれば利用できることもあります
- 判断に迷う場合は、構成をお伺いしてご提案します
- ACMEサーバーへ外部通信できないため、自動化できません
- 手動更新をご利用いただくか、構成の見直しをご相談ください
すべての対応環境を一覧で見る
| 環境 | 自動更新 | 補足 |
|---|---|---|
| VPS・専用サーバー | ◯ | root権限で各種クライアントを利用。Apache / Nginx / Caddy / LiteSpeed などで最も確実。 |
| クラウド | ◯ | AWS(ACM)/ Google Cloud(Certificate Manager)/ Azure App Service に対応。 |
| Windows / IIS | ◯ | win-acme を利用。Windows Server 2016以降・IIS 10推奨。 |
| Kubernetes | ◯ | cert-manager で Ingress の注釈だけで自動発行・更新。 |
| ネットワーク機器 | ◯ | F5 BIG-IP / Citrix ADC など、ACME対応機種で利用可能。 |
| 共有レンタルサーバー | △ | 権限・ポート開放が制限される場合が多く、提供元の対応状況によります。 |
| 閉域・外部通信なし | ✕ | ACMEサーバーへ到達できないため不可。手動更新をご利用ください。 |
対応できるか分からない場合も、構成をお伺いして最適な方法(自動/手動)をご提案します。安心してご相談ください。
導入の流れ
FujiSSLのACMEは、一般的なACMEクライアントでご利用いただけます。初めての方でも、次の4ステップで自動更新まで到達できます。
~/.acme.sh/acme.sh --register-account \
--server <ACMEサーバURL> \
--eab-kid <EAB_KID> --eab-hmac-key <KEY>
# 証明書を発行(HTTP-01の例)
~/.acme.sh/acme.sh --issue -d www.example.com --webroot /var/www/html
~/.acme.sh/acme.sh --list
www.example.com Next renew: 2026-09-01
# 以降、期限前に自動で更新されます ✓
DV・OVそれぞれの具体的な設定手順は、コマンド例つきで各クライアントのガイドにまとめています。お使いの環境のものを選んで、順を追って進めてください。
クライアント別 設定ガイド
お使いの環境に合わせて、コマンド例つきの詳しい手順を参照してください。
- Certbot(Linux / Apache / NGINX)
- acme.sh(NGINX / 軽量環境)
- win-acme(Windows / IIS)
- cert-manager(Kubernetes)
- lego(Go製クライアント)
- DV証明書 自動化手順(ACME対応)
- OV証明書 自動化手順(ACME対応)
その先の時代への備え
現在広く使われている暗号方式(RSA・ECDSA)は、量子コンピュータの実用化に伴い、将来的に解読されるリスクが指摘されています。これに備えた量子耐性アルゴリズムへの移行が、世界的に進められています。
証明書の運用をACMEで自動化しておけば、こうした暗号方式の移行も、新しいルート証明書への切り替えも、サーバー側で自動的に反映されます。手動で一台ずつ対応する必要はありません。ACMEへの対応は、47日時代を乗り切るための備えであると同時に、その先に続く変化に追従し続けるための基盤です。今ACMEを導入することは、未来への投資でもあります。
よくある質問
ACMEを利用するメリットは何ですか?
証明書の発行・更新を自動化でき、手作業の手間と更新忘れによる失効を防げます。有効期間の短縮が進む中で特に有効です。
詳しい解説を見る →自分のサーバーが対応しているか分かりません
管理者権限があり、外部通信ができれば多くの環境で対応できます。判断が難しい場合は、構成をお伺いしてご提案します。
詳しい解説を見る →証明書を取得・更新するために必要な要件は?
ACMEクライアントが動作する環境と、HTTP-01またはDNS-01で認証を通せる構成が必要です。
詳しい解説を見る →wwwあり・なし(2way/SANs)に対応していますか?
対応しています。SANに複数名を含めることで、wwwあり・なしの両方をカバーできます。
詳しい解説を見る →1台で取得した証明書を他サーバーへ配布できますか?
可能です。DNS-01での取得+配布スクリプトなどで複数サーバーに展開できます。
詳しい解説を見る →